海外

成人の病理画像で学習したAI、小児セリアック病の診断を外部検証

文:AI回診 編集部

成人の十二指腸生検画像で学習したAIを、開発に使っていない2施設の小児708人で検証しました。セリアック病に対する感度は80.2%、特異度は98.4%でした。判定の確信度に応じて対象を絞った解析も報告されています。

病理検査室の顕微鏡と組織標本

英国の研究グループは、成人の十二指腸生検画像だけで学習したAIを、小児セリアック病の診断に使えるか検証しました。開発に使っていない小児集団でも、病理画像を判別する成績を維持したとeClinicalMedicineに報告しています。

成人の画像から小児への適用

セリアック病の病理診断には、十二指腸生検の組織を評価します。研究グループは、5施設の成人8,421人から得た9,958枚の病理スライド画像でモデルを開発しました。小児の画像は学習に使っていません。

外部検証の対象は、学習に参加していないエディンバラとサウサンプトンの2施設です。連続した小児708人を評価し、うち86人がセリアック病でした。年齢層だけでなく、施設と画像を読み取るスキャナーも異なる条件で検証しています。

小児集団での診断成績

小児での感度は80.2%(95%信頼区間70.6〜87.3)、特異度は98.4%(97.1〜99.1)でした。感度は病気のある人を検出できた割合、特異度は病気のない人を正しく陰性とした割合です。陰性と判定された人のうち、本当に病気がなかった割合は97.3%でした。

総合的な判別性能を表すAUCは0.988(95%信頼区間0.982〜0.994)でした。AUCは0.5が偶然と同程度、1.0が完全な判別に相当します。AUCの高さと、特定の判定基準で病気を見逃す割合は別の指標です。全例を対象にした感度と合わせて読む必要があります。

無記名のガラススライドと小さな組織標本

判定の確信度による対象の選別

研究グループは、AIが返すセリアック病である確率に応じて、判定を採用する範囲も調べました。予測確率が10%未満または65%以上の604人に対象を絞ると、感度100%、特異度98.7%でした。この解析の対象は、小児全体の85.3%です。

さらに確率が2%未満または85%以上の467人では、誤分類は観察されませんでした。ただし、判定が曖昧な症例を除いた集団での結果です。全708人の成績が同じ水準になったわけではありません。

生検の採取部位と評価の範囲

十二指腸の球部と下行部の両方の生検を考慮すると、成績は有意に改善しました。著者らは、複数部位からの生検を含めて評価する重要性を指摘しています。

今回検証したのは、採取済みの病理画像に対する診断成績です。AIを診療に組み込んだ際の見逃しや作業時間への影響は、公開要旨には示されていません。小児用の学習データを追加せずに外部検証できた点と、診療での有用性は分けて評価する必要があります。

研究メモ:資金提供は英国のNational Institute for Health and Care Researchです。利益相反の詳細と国内承認状況は公開要旨では確認できません。

出典

  1. [1]
  2. [2]

※画像はGPT Image 2.5で生成したイメージです。